千葉県市川市から有田町へやってきました
逸見直樹さんは、新進気鋭の有田焼、20代の陶芸作家です。出身は千葉県市川市で、神奈川県の大学を卒業した後、佐賀県窯業技術センターの一般研修絵付けコースで焼き物を学んできました。もともとは油絵の勉強をしていましたが、それとは全く異なる有田焼の絵付けにいつしか魅せられ、もがきながらも少しずつ手ごたえを感じてきました。
実は彼のご両親と、当店代表とは友人同士であり、彼の少年時代のエピソードを聞いています。彼、逸見直樹さんの幼少期は、お父様のお仕事上、家族全員海外暮らしでした。幼少期の海外生活が、直樹さんの「素」の感性に、より良い影響を与えたのかもしれません。「色」に対する反応がシャープだったこと、見る対象を、ありのままにとらえる感受性に優れていたこと、などは彼の特徴的な感性だったそうです。
逸見直樹さんのエピソード1.幼少期
たとえば一般に幼児の描く絵には、女の子ならばリボンにお花、男の子ならばお日さまに車など、ひとつの定型がありますが、直樹さんは少し違っていました。周りの外人さんの、高い鼻、ギョロつく目玉をそのままに描いていたそうです。
逸見直樹さんのエピソード2.少年期
さらにご家族が日本に帰国してから、つまり直樹さんの帰国子女としての少年時代にも、彼のキャラを象徴するエピソードがあります。自宅は小学校のほんの目と鼻の先、1分半ほどの距離でした。小学校の授業終了のチャイムも自宅からよく聞こえます。授業終了後の直樹さんの帰りが、やたら遅いことがよくありました。時には1分半の時間が、1時間半にもなることがあったそうです。どうしたのか?と聞けば、
猫がいた
という返事。または、川の堤防の手すりに…
虫がいた
とのことです。直樹さん、猫や虫を少年の目でじっと観察していたのでしょう。
そして、今日の直樹さんは…
今日の逸見直樹さんといえば、やはり没頭すると、時間も場所も関係ない、芸術家の気風が彼を特徴づけています。現在は、波佐見の窯元で電気窯、ガス窯の管理など焼き物の最後仕上げに関わる責任の重い仕事に従事しています。作品づくりは、本業の傍らにならざるを得ませんが、彼のこれまでの代表的な作品10数点は、今年のウェブ陶器市で完売しました。
ただ今、逸見直樹さんは、現業のプレッシャーに負けず、自分のこれからの作品づくりの構想に取り組んでいます。これまでの彼の作品(既にお客様の手元に渡った作品ですが…)を少しだけご紹介しておきます。彼の次の作品がどんなものになるのか、楽しみにしたいと思います。